偽装婚約~秘密の関係~
本心
次の日の目覚めは最悪だった。
体はダルく、軽く頭痛がして。
終いにはベットから立ち上がると立ちくらみがした。
『…大丈夫ですか、晴弥様』
『…ああ、大丈夫だ』
いつの間にか部屋の中に瑞季がいて。
俺を心配そうな眼差しで見ていた。
『父さんと母さんは?』
『只今、お二人とも朝食を召し上がっています。
晴弥様はどうなさりますか?』
『メシはいらない』
何か食べたとしても、
無駄にしてしまいそうな気がしたからだ。
『悪い。
もう少し横になる。』
『かしこまりました』
瑞季は頭を下げ、ドアへ向かう。
『晴弥様』
『なんだ?』
『あまり、ご無理なさらないように』
『ああ、分かってる』
『失礼しました』
瑞季が部屋からいなくなって、
ベットへ倒れこむ。
頭の中は昨日の月島との会話ばかりが繰り返されて。
それ以外、何も考えることができなかった。