偽装婚約~秘密の関係~
『晴弥様。
らしくない質問をされるのですね』
『うるさい』
コノヤロウ。
俺をバカにしやがって。
『晴弥様はズルイです』
『なんだ、いきなり』
『いつもすべて自分で決めるくせに、
本当に追い詰められた時、私に救いを求める。
そんなの…都合がよくありませんか?』
よくも主人にそんなことが言えたもんだな、まったく。
どこでしつけを間違ったんだ。
『…なんて、生意気なことを申してすみません。』
すねた顔から急に真面目な顔になる瑞季。
『晴弥様。私が言えるのはただ1つだけです』
瑞季と視線がぶつかった。
『あなたがしたいようにすればいい。
私はただそれに、従うだけですから』