偽装婚約~秘密の関係~
『沙羅。聞いてたんだろ?話』
沙羅を目の前に座らせる。
「まあ…ちょっとだけね」
沙羅は俺と視線を合わせようとせず、顔を逸らしたまま答える。
『なんでこんな時間に起きてたんだよ?』
月島がそう問うと沙羅は時計を見上げた。
そして時間を確認すると少し驚いたような顔をした。
時刻はいつの間にか1時を過ぎていた。
「そっちが大きな物音たてるからでしょ?
寝ようと思ったのにそのせいで目が覚めたの」
よく言うじゃないか。
誰のせいだと思ってんだ、まったく。
『で、沙羅。
お前は自由になりたいのか?
このまま、月島と別れて
俺の元から離れたい。
心の底から…そう、思ってんのか?』