偽装婚約~秘密の関係~
『お前が嫌えば嫌うほど俺は燃えるぜ…』
なんて言ってみる。
って俺、ちょっと調子にのりすぎか?
「な、なに言ってんの?!
ちょっ…離れてよ!!」
『拒まれるとよけい近づきたくなる』
沙羅の焦り方が尋常じゃなくて。
だけどその反応がおもしろくて。
調子にのりすぎかもしれないと思っていても遊びたくなる。
もしかして俺ってS?
「ホントに、やめてって!」
拒む沙羅の頬に触れる。
するとなぜか俺の顔まで熱くなって。
おい、どうしたんだよ、俺。
『…バーカ』
自分がおかしくなりそうで。
俺はそれを誤魔化すために今にも泣きそうな沙羅にデコピンをくらわせた。