偽装婚約~秘密の関係~
家に着くと、
沙羅は何も言わず部屋へ入って行った。
『良かったですね、晴弥様』
『別に良くなんかない』
そう答えると瑞季はふっと笑う。
『何笑ってんだ』
『いや、なんでもございません。
失礼しました』
コノヤロウ。
やっぱり瑞季はムカつく。
『下がっていいぞ、瑞季』
『かしこまりました』
瑞季がいなくなったのを確認して
沙羅の部屋のドアを開ける。
沙羅はベットに横になっていた。
だがドアが開いたのが分かったらしく、体を起こす。
『…良かった』
そう呟くと俺は沙羅を後ろから抱き締めた。