偽装婚約~秘密の関係~
『森本、お前は部屋に戻っていいぞ。
用事があったら呼ぶから』
『かしこまりました』
呼ばれた部屋の前。
なぜか俺の手にはスペアキー
ノックをせず、そのまま入れ、
それが父さんの指示だったのだ。
ますます意味がわからない。
とりあえずカードを読みこませる。
ランプが緑になり鍵が開いた。
「……あたしの…に…ですか?」
『いえ…そう…じゃあ…はい』
話し声が聞こえる。
それも、どこかで聞いたことのある2つの声。
男と女の話し声。
近づいて行くとやっと、ちゃんと聞きとれた。
「瑞季さん」『沙羅様』
…なんで。
なんでお前らがここに、いるんだよ…