偽装婚約~秘密の関係~
契約終了
『おいっ!いつになったら着くんだ!!』
『申し訳ございません。
道が混んでいまして…』
イライラが募って行く。
今は森本が運転する車の中。
先ほど、沙羅と瑞季がどこへ向かったのか判明したのだ。
あろうことか2人はもう空港にいた。
マズイ。
空港にいるということはいつここを発ってしまうか分からないのだ。
『…もういいっ!!
走って行く』
『いや…でもまだ相当距離が…』
『うるせぇ!!』
黙って座って車が動き出すのを待てるかっつーんだよ。
どんだけ距離があろうとも、
必ず、沙羅を連れ戻さなきゃならないんだ。
『…晴弥様っ!!』
車を飛び出すと森本のそんな声が聞こえた気がしたが構わず走った。
アイツの笑顔を取り戻すために。