偽装婚約~秘密の関係~
いったい、どれくらい走ったのだろうか。
よく、分からない。
ただ、息切れがハンパじゃなく、
大量の汗が噴き出していた。
だが、目の前には空港がある。
やっと、ここまで着いた。
でも、不安要素が。
この人ごみの中から沙羅を見つけ出さなければいけない。
正直、自信がない。
けど…見つけなきゃならない。
失ってからだけど。
俺は、大事なことに気付いたから。
悲鳴を今にもあげそうな足を叩く。
そしてアイツの名前を叫びながら、
また、走り出した。