偽装婚約~秘密の関係~
トイレから戻るとちょうど沙羅が部屋から出てきたところだった。
その顔は浮かなくて。
はっはーん。
俺、読めた。
今、沙羅が考えてること。
ソファに寝転がった沙羅を上から覗き込む。
「…はっ…晴弥?!」
『んなビックリしなくてもいいだろーが』
俺はソファに座る。
そうすると沙羅は慌てて起き上がった。
『今、お前が考えてること、教えてやろうか?』
「え…?」
沙羅が驚いた顔で俺を見つめているのが分かる。
俺は沙羅を見ることなく、言い放った。
『彼氏…洋介と別れなくて…いいのかなぁ?
だろ?どうだ?正解じゃないか?』