偽装婚約~秘密の関係~



多分、あの項目を見たら沙羅は発狂するだろう。

あ…発狂は言い過ぎか。


でもキレること、間違いなし。

ま、沙羅がキレたところであれを取り消すワケはないけどな。


そして授業後。



『鬼灯さん!』


隣のクラスに沙羅を迎えに行く。


そうすると沙羅の席はジュウゴの隣で。

おお、すごい偶然だ、なんて考える。


そして沙羅はジュウゴと少し言葉を交わすと鞄を持って立ち上がった。


沙羅は俺の1歩後ろを歩く。


…なんか背中から殺気を感じるんだけど。



『あのさ』

仕方なく、後ろを向く。


『その、睨むのやめろよ。

殺気がヤバイからな、沙羅』


怒るのも無理ないとは思うけど。

でも、気付かなかった沙羅が悪いんだろ?



「あんなの…ズルイ。

気づくワケないじゃんか」


不貞腐れる沙羅。


『でもサインは取り消せない。』


ニヤッと笑って見せる。

沙羅は諦めたのかもうそのことについては何も言ってこなかった。







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