偽装婚約~秘密の関係~
制服から部屋着に着替えてベットに倒れこむとなんだかリビングのほうが騒がしくなった。
それも、アリエナイくらいうるさい。
こりゃあ、アイツが来たな。
俺ははあ、と特大の溜め息をついて体を起こす。
『おい、お前らうっさいんだけど。
もうちょっと静かにできないのかよ?』
俺の休憩時間を邪魔しやがって。
ふざけんなよ、ジュウゴ。
『晴弥ー!
ちょっと話があるんだ』
案の定、リビングにはまだ制服を着たままのジュウゴがいて。
無理やり部屋に押し込まれた。
『んだよ?!』
ジュウゴはベットに座る。
随分と図々しいな、ジュウゴ。
まあ昔からだけどな。
『なあ、晴弥。
俺にくらい、事前に教えてくれたって良かったんじゃねーの?』
『何を?』
『沙羅のことだよ。
それ以外に何があんだよ?』
珍しくジュウゴは真面目な顔をしていて。
もしかしてコイツ…
イヤな予感が頭をよぎる。
『ビックリさせたかったんだよ。
お前、沙羅に会いたがってたから。
サプライズ、ってヤツだ、サプライズ』
俺はそう言ってニッと笑った。