偽装婚約~秘密の関係~
『なあ、晴弥。
お前さ、沙羅のこと…追い詰め過ぎじゃね?』
『うるせーよ。
お前には関係ねーだろ。』
『あるよ。
あるだろーが』
俺はジュウゴをキッと睨む。
『お前が言ったんだろ?
自分がいないときに俺が沙羅を守ってくれる、って。
ほら、俺、関係者』
チッと舌打ちをした。
ホントにコイツは知りたがりだな、まったく。
だけどさ、言えないわ、お前に。
俺の口から洋介に直談判しに言った、なんて言えない。
なんでか分かんないけど。
『昨日、晴弥様は洋介さんのところに行きました』
『瑞季っ!!』
ジュウゴから瑞季に視線を移した。
またコイツは勝手に言いやがって。
『晴弥様はこうおっしゃいましたよね?
沙羅にはこのことを言うな、と』
チッと本日2度目の舌打ち。
また瑞季に負けた。
コイツは粗さがしの天才か?