偽装婚約~秘密の関係~
『お帰りなさいませ、晴弥様、沙羅様』
学校を早退して、家に帰る。
『瑞季、親父たちはいつ帰ってくる?』
『はい。
3時に空港に着くので、4時頃にはお帰りになるかと。』
『そうか。
沙羅、最後に瑞季とちゃんと段取りの確認をしておけ。
俺は部屋でちょっと休んでる。
とりあえず、ミスだけはするな。
絶対に沙羅を婚約者だと信じ込ませるんだ』
そして俺は沙羅に近づいて耳元で囁く。
『もし、うまく騙せたらいいこと…しような?』
そう言うと沙羅の顔は真っ赤に。
うん、良い反応だ。
俺はそれが見たかった。
『何想像してんだよ?沙羅。
じゃ、瑞季。
あと頼んだぞ』
俺はニヤッと笑って自分の部屋へ入る。
バカだな、アイツ。
ヘンな想像してさ。
誰もいいこと、がキスだ、なんて言ってねーのだろーが。