偽装婚約~秘密の関係~
それから1週間後
今日はいつもお世話になっている浅井建設の社長就任パーティだ。
パーティに備え、
沙羅は毎日瑞季とダンスレッスンを積んだ。
最初は見るのもままならないほど下手くそだったが、今やかなり上達している。
『沙羅、行くぞ』
「うん」
頷く沙羅には瑞季の化粧が施され、
いつもの倍は輝いていた。
『瑞季、やっぱりお前の腕はすごいな』
素直にキレイだな、とでも言えばいいのかもしれないが、
俺にそんな言葉は似合わない。
『いってらっしゃいませ』
瑞季のその言葉を背に受け、
沙羅のパーティデビュー戦会場へと向かった。