争いの果てに見えるもの
アッカス軍は撤収していったが、


彼等としてはそれでも良かったのだ。



それは第一にこの奇襲によりレプトン軍の進撃を遅らせ、


その間に自軍の態勢を整えておく事、


第二にレプトン軍の戦力を少しでも弱めておく事、この二つにあった。



その裏にはアッカス軍のレプトン軍に対する総攻撃が予定されていたのだ。



そしてもう一つ、


武器や弾薬に乏しいアッカス軍は、


自軍の若い兵士を新兵としてレプトン軍に潜り込ませ、


敵軍に自軍の兵士を訓練させていた。



元々一つの人種なので言語も同じであり、


そう簡単には気付かれなかったのだ。



そして一通りの訓練を済ませると、


戦闘の度に混乱に乗じて戦死したように思わせ姿をくらまし、


その後自軍へ戻っていくと言う方法を採っていたのだ。
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