Drawing~君と僕と~
学校を転校しても変わらないことがあった。

放課後の教室で過ごした後、図書室に行くこと。

本が好きだからというのもあるが、何より人があまりいない為、放課後の教室の次に落ち着けるのだ。

この二週間は家の片づけもあってなかなか行けなかったが、今週からは行けそうだ。最近教室移動のときに見かけたばかりなので、場所は覚えている。

僕はガタリと席から立ち上がり、教室を出た。

この学校は4階建てで、職員室は一階にある。

1階にはクラス教室はなく、家庭科室や保健室などがあり、2階は1年生、3階は1年生、そして4階は3年生のクラスが入っていた。

この間ちらと見ただけで終わってしまった図書室は、2階の西側の廊下をまっすぐ行き、左へ曲がった所にあった。

僕は4階の自分の教室から出て、廊下をまっすぐ歩き、階段を一気に2階まで駆け下りて、西側の廊下までまた歩き、左へ曲がる。目の前に、少し薄汚れた扉が現れた。やはり薄汚れた標識に図書室と書いてある。

南京錠が外れているので、おそらく開いているのだろう。そう思いつつ僕は静かに図書室の扉を開いた。開いたのだが・・・



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