J//High:schooL
第2章
実咲の想い。
「相談?」
「うん、だから今日、図書室の前で待ってて?」
「わかった」
これが始まりだった。
放課後…。
部活生の元気な声がグラウンドに響き渡る
校舎の中からは、吹奏楽部が奏でる綺麗なメロディー
部活も何もしていないあたしが
真っすぐ家に帰らないのは
まれなことだ。
「あれ?彩?何してんの?」
図書室の前でボーッと突っ立っていると、部活に行こうとしている青野が通った。
「あ、青野…待ち合わせ」
「ふーん、珍しいな」
サッカー部の青野は
汗臭そうなシャツに身を包み
カバンを片手にあたしの前に立ち止まる。
「…部活、頑張ってるんだってね」
沈黙にならないように
ポツリとあたしが呟いた
「あー、うん、まぁ……なんで?」
曖昧な返事にあたしは
顔を見て
「友達から聞いた、レギュラー入り…一年の後半の時からだって」
「あ、うん」
俯いて、照れ臭そうにする青野