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第1章
君と2年目。
「桜……」
しきりに降り注ぐ春の木漏れ日
ゆらゆらと舞うかわいいピンク色の花びら
桜を手に
また、春が来たのかと
あたしはため息をついた。
もう一年経ったのだ
君に出会って
もう、一年……。
小学校を卒業し、
中学に進級したのは
ちょうど一年前。
『自己紹介〜?』
『そ、先生がやれって』
手渡したのは
螺旋の引いてある紙きれ一枚
『そんなもん、適当に仲良くして、名前覚えるっての』
不服そうに口を尖らせるのは
青野優貴
『しょうがないよ、あの先生、言いだしたら止まりそうにないし』
舌打ちしつつも、
プリントの上方に記されている文に目を通す青野