あなたが教えてくれたもの
初授業
「さっき廊下で話してるの聞こえたんだよね酒井先生1時間目からあたしらのクラスで初授業するって残念だね小百」
うそっなんでよりによって一番関わりたくない奴が1時間目から来んの!
「まっまあなんとかなるでしょ授業だし真面目にやってれば問題ないよそれに授業だけ受けて後は関わらなければ大丈夫だよ」
私は咲に動揺を悟られないよう必死に冷静に言った
最悪だよっもうこうなったら絶対アイツとは授業以外で関わらないでおこう
「まっ精々頑張んな小百っ面倒なめに合わないようにねっ」
そう言って咲は自分の席に戻っていった
それと同時にチャイムがなった
キーンコーンカーンコーン
ガラッ
廊下からアイツが入ってくるのが見えた
教室は一瞬にして静かになった
さっきの騒ぎは嘘かのように皆アイツの顔に釘付けだ
クスッ
「いきなり静まんなよそんなにビックリか俺がここに来るの?」
アイツはにやけながら話し出した
アイツ自分がカッコイイこと気付いてないの?もしかして
「まっ気楽にいこうぜあってか俺先生って柄じゃないから呼ぶとき先生付けんなよ付けたやつは課題大量にだすからな」
ニッ
アイツは少し冗談混じりのように皆に言った
『あはははははははははーーー』
教室中がさっきの静けさは嘘かのように皆の笑いでもれた
アイツ馬鹿?仮にも先生の癖にあんな事言っちゃって
自分がカッコイイことも気付いてないなんて本当の馬鹿だなきっと
まっ気付いてんのかもしんないけどね
私はアイツを馬鹿みたいな目で見ながらそんなことを思っていた
「てなわけで俺のことはこれから勇気と呼ぶようにな」
そう言ってアイツは教卓の前に立ち出席を取りはじめた