こんな僕たち私たち
「おはよう、七緒!」

 と、小走りで追いついた私に、

「……はよ、心都(こと)」

 その美少女顔──美少年顔ではなく、美少女顔──とは正反対などこか可愛げのない口調で返答した彼、東(あずま)七緒。私の大好きな幼馴染みです。

「何か七緒今日は早くない?」

「今日部活の朝練あるから。……いつもの事ながらお前、はえーな」

「もちろんっ。ただし冬限定」

「……あぁ、夏は暑すぎて起きれないんだ?」

「正解」

 私が冬好きって覚えていてくれた。片思い歴4年の私はそんな小さい事に喜んでしまう。

「さぁ、ここで会ったが100年目。学校まで一緒に行こう!」

「それってさ、敵とかに使う言い回しじゃないの?」

 七緒のドライな突っ込みは聞かなかった事にして、私はルンルン気分で歩みを進めた。



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