こんな僕たち私たち
1章-8<気持ちと、4年目の決意>
チャイムが鳴った。
校庭に出ている人なんてほとんどいないし、ましてや飼育小屋の前なんか静まり返って怖いくらい。
だけど突如、甲高い声でその静寂を破る奴がいた。
前にも少し触れたけど、飼育小屋のオウムはとにかくうるさい。そして下品。
あの七不思議のオウムが七緒を見つけてすかさず絡んだ。
「ヨォヨォ姉チャン、ベッピンサンダナーッ」
「姉ちゃんじゃねぇっ!」
「怒ッタ顔モチョー可愛イネー」
男子制服を着ているにもかかわらずオウムにまで勘違いされて本気で怒っている七緒。
そしてその隣には、正真正銘の女子生徒であるにもかかわらずオウムに完璧無視されている私。
…何だか微妙な心境だ。
オウムはすっかり七緒に夢中で、スケベさが滲み出た声色でしきりにわめいている。
「姉チャン、チョットケツ触ラセロヨ」
「焼き鳥にすんぞ!!」
七緒さん、鳥相手にキレすぎです。
「あははっ」
「そこ笑うな!…さっきまで泣いてたくせに」
あんた見てたら涙もひいちゃいましたよ。
ひと睨みしてオウムをようやく黙らせた後、七緒は唸るように言った。
「あのさぁ心都」
「は、はい」
真剣気味なその表情に、私は少しまごついた。
「えーと…お前さっき自分のせいとか言ってたけどっ、元々このゴタゴタは俺の問題だし。だから別に、心都のせいじゃないから。っていうかむしろ…巻き込んでごめん」
「えっ…」
そんな事ないのに。私が勝手に先輩を怒らせたせいなのに。
「でも私の代わりにビンタ…」
「あのな」
真っ直ぐな七緒の目が、私を見る。
「別に俺は心都のせいだなんて思ってないし、代わりにぶん殴られたのも、巻き込んだ責任感じてとかじゃなく…」
ここで七緒は、自分の中で言葉を整理するみたいに難しい顔になった。
「…心都も先輩も関係なくて、“俺が”嫌だと思ったから、だから動いたんだよっ」
校庭に出ている人なんてほとんどいないし、ましてや飼育小屋の前なんか静まり返って怖いくらい。
だけど突如、甲高い声でその静寂を破る奴がいた。
前にも少し触れたけど、飼育小屋のオウムはとにかくうるさい。そして下品。
あの七不思議のオウムが七緒を見つけてすかさず絡んだ。
「ヨォヨォ姉チャン、ベッピンサンダナーッ」
「姉ちゃんじゃねぇっ!」
「怒ッタ顔モチョー可愛イネー」
男子制服を着ているにもかかわらずオウムにまで勘違いされて本気で怒っている七緒。
そしてその隣には、正真正銘の女子生徒であるにもかかわらずオウムに完璧無視されている私。
…何だか微妙な心境だ。
オウムはすっかり七緒に夢中で、スケベさが滲み出た声色でしきりにわめいている。
「姉チャン、チョットケツ触ラセロヨ」
「焼き鳥にすんぞ!!」
七緒さん、鳥相手にキレすぎです。
「あははっ」
「そこ笑うな!…さっきまで泣いてたくせに」
あんた見てたら涙もひいちゃいましたよ。
ひと睨みしてオウムをようやく黙らせた後、七緒は唸るように言った。
「あのさぁ心都」
「は、はい」
真剣気味なその表情に、私は少しまごついた。
「えーと…お前さっき自分のせいとか言ってたけどっ、元々このゴタゴタは俺の問題だし。だから別に、心都のせいじゃないから。っていうかむしろ…巻き込んでごめん」
「えっ…」
そんな事ないのに。私が勝手に先輩を怒らせたせいなのに。
「でも私の代わりにビンタ…」
「あのな」
真っ直ぐな七緒の目が、私を見る。
「別に俺は心都のせいだなんて思ってないし、代わりにぶん殴られたのも、巻き込んだ責任感じてとかじゃなく…」
ここで七緒は、自分の中で言葉を整理するみたいに難しい顔になった。
「…心都も先輩も関係なくて、“俺が”嫌だと思ったから、だから動いたんだよっ」