こんな僕たち私たち
2章-1<ふりふりフリルと、最後のチャンス>
本日12月24日、恋人たちのクリスマスイヴ!
去年までの私には関係のないイベントだけど、今年はちょっと違う。
なぜなら今、宝石みたいにライトアップされた街を、七緒と2人で歩いているから。
「はい、これ」
そう言って七緒が差し出したのは、
「わぁ、指輪?」
「…こーいう時はリングって言えよな」
華奢なシルバーの輪に、きらきら光る石がしがみついている。
「かわいー…!ありがとうっ七緒」
何かもう、幸せすぎて怖い。
お願い、夢なら覚めないで―――。
「ぐへっ」
笑ったところで目が覚めた。
ベッドから落ちて。
「…やっぱ夢オチかい」
寝癖頭をぼりぼりかきながら呟く。
ここはイルミネーションが光り輝くイヴの街ではなく、散らかり気味な7畳の私の部屋。
そりゃそうだよ。
クリスマスイヴに七緒と仲良く2人きりなんて、我ながら呆れるほど都合のいい夢。
だいたい、イヴなんてまだ1週間も先だし。
「あー…。今年はどうなんのかなぁ…」
「どうなるのかしらねぇ」
と、私の独り言に突然の相槌。
「おはよう心都っ」
華やかなピンクに溢れんばかりのフリルを乗せたド派手なエプロン。
それを身に纏ったその人は満面の笑みで立っていた。
「…おはようお母さん。今日のはまた一段とすんごいね」
「可愛いでしょお?」
去年までの私には関係のないイベントだけど、今年はちょっと違う。
なぜなら今、宝石みたいにライトアップされた街を、七緒と2人で歩いているから。
「はい、これ」
そう言って七緒が差し出したのは、
「わぁ、指輪?」
「…こーいう時はリングって言えよな」
華奢なシルバーの輪に、きらきら光る石がしがみついている。
「かわいー…!ありがとうっ七緒」
何かもう、幸せすぎて怖い。
お願い、夢なら覚めないで―――。
「ぐへっ」
笑ったところで目が覚めた。
ベッドから落ちて。
「…やっぱ夢オチかい」
寝癖頭をぼりぼりかきながら呟く。
ここはイルミネーションが光り輝くイヴの街ではなく、散らかり気味な7畳の私の部屋。
そりゃそうだよ。
クリスマスイヴに七緒と仲良く2人きりなんて、我ながら呆れるほど都合のいい夢。
だいたい、イヴなんてまだ1週間も先だし。
「あー…。今年はどうなんのかなぁ…」
「どうなるのかしらねぇ」
と、私の独り言に突然の相槌。
「おはよう心都っ」
華やかなピンクに溢れんばかりのフリルを乗せたド派手なエプロン。
それを身に纏ったその人は満面の笑みで立っていた。
「…おはようお母さん。今日のはまた一段とすんごいね」
「可愛いでしょお?」