こんな僕たち私たち
「ちょ、ちょっと足がもつれて…。で、七緒がどうしたって?」
お母さんは昔のアイドルみたいに両手で頬を挟み、
「明美から聞いたんだけどね、七ちゃん、俺は今年はパーティなんかぜってー行かねーって宣言してるらしいのよー」
明美さん(おばさんと呼ぶと烈火の如く怒る)――七緒のお母さんだ。
「あー…無理もないんじゃない?私だってそろそろ抜けようかと思ってたし」
「えぇ?そんな寂しい事言わないでよー」
と、眉を下げ駄々をこねるおかーさま。どっちが親だか。
さっきも言った通り親友である私のお母さんと明美さんは、学生の頃からクリスマスは欠かさず2人で祝ってきたらしい。
そしてその習慣は、お互い結婚して子供ができても変わらず。
私たちが生まれて最初のクリスマスから今まで、杉崎家と東家の合同パーティが毎年のイヴの定番となっているのだ。
パーティと言っても、どちらかの家で唐揚げやらケーキやらを食べて後は世間話をするだけのものなんだけど。
つまりその恒例行事に、今年の七緒は「ぜってー行かねー」らしい。
「うーん…まぁ当然っちゃ当然だよね」
「えぇ、どうして?」
お母さんは腑に落ちない様子だけど、私だって七緒の気持ちはわかる。
14にもなって家族とわいわいパーティなんてホームドラマみたいな事、そろそろ恥ずかしい。
昔みたいに家族ぐるみで和気靄々とはいかないんだろうな、きっと。
確か去年だって、気乗りしない様子の七緒を、彼の母が無理矢理引っ張ってきたんだっけ。
お母さんは昔のアイドルみたいに両手で頬を挟み、
「明美から聞いたんだけどね、七ちゃん、俺は今年はパーティなんかぜってー行かねーって宣言してるらしいのよー」
明美さん(おばさんと呼ぶと烈火の如く怒る)――七緒のお母さんだ。
「あー…無理もないんじゃない?私だってそろそろ抜けようかと思ってたし」
「えぇ?そんな寂しい事言わないでよー」
と、眉を下げ駄々をこねるおかーさま。どっちが親だか。
さっきも言った通り親友である私のお母さんと明美さんは、学生の頃からクリスマスは欠かさず2人で祝ってきたらしい。
そしてその習慣は、お互い結婚して子供ができても変わらず。
私たちが生まれて最初のクリスマスから今まで、杉崎家と東家の合同パーティが毎年のイヴの定番となっているのだ。
パーティと言っても、どちらかの家で唐揚げやらケーキやらを食べて後は世間話をするだけのものなんだけど。
つまりその恒例行事に、今年の七緒は「ぜってー行かねー」らしい。
「うーん…まぁ当然っちゃ当然だよね」
「えぇ、どうして?」
お母さんは腑に落ちない様子だけど、私だって七緒の気持ちはわかる。
14にもなって家族とわいわいパーティなんてホームドラマみたいな事、そろそろ恥ずかしい。
昔みたいに家族ぐるみで和気靄々とはいかないんだろうな、きっと。
確か去年だって、気乗りしない様子の七緒を、彼の母が無理矢理引っ張ってきたんだっけ。