こんな僕たち私たち
2章-6<放物線と、母は強し。>
 私は、思わずまじまじと見つめてしまう。

 その綺麗な目を。

「何見てんの」

「んー、まつ毛長いなぁと思って」

「長いか?ふつーじゃん?」

「長いよ」

「……包丁握り締めたまま顔見つめられると怖いんだけど」

「あらごめんあそばせ」

 そんなたわいのない(?)会話の最中。

「こンのエロガキ――!!」

 バシッめきょズシャ。凄まじい音と共に七緒が吹っ飛んだ。指でなぞりたくなるような、美しい放物線を描いて。

よく飛ぶなーここ室内なのに。


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