こんな僕たち私たち
1章-2<七緒の快挙と、ハイタッチ>
「つまりねぇ、色気と可愛気。これが心都には足りないと思うのよ」
「はぁ……」
制服に着替えて教室へ戻った瞬間、美里のお説教が始まった。
「ただでさえあんな美少女顔の七緒君が相手なんだからさぁ、それを越えるくらいの魅力でアピールしなきゃっ」
「七緒を越えるぅ? ……って、無理無理!ぜーったい無理!!だってあの七緒だよ!?」
私は顔の前で拳を握り締め、ここぞとばかりに普段の不満を吐き出した。
「あいつ、男のくせにあんなにまつ毛長くてあんなに肌綺麗であんなに髪さらさらであんなに細くて……っ」
「…心都、本当に七緒君の事好きなのねぇ」
と、半ば呆れたように美里。
「へ?」
七緒の文句を言ったつもりなのに、何でですか。
でも美里の言葉はもちろん間違ってはいないわけで。
「……そりゃー……好きだけど」
「ん、素直素直」
美里の白い腕が、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
小首を少し傾けながら小悪魔的な笑顔を浮かべる美里は、女の私から見ても文句ナシで可愛い。
そんな彼女の性格は、一言で言うと「恋多き乙女」。ついこの間まで「1組の武藤君かっこいー」とか言ってたかと思うと数日後には「相田先輩ステキー」になっている。あ、そういえば昨日は「1年の藤森君サイコー」に変わってたっけ。何せこの顔だから、今までに泣かせた男の数知れず。……もしかしてこういうのを、いわゆる魔性の女っていうのかな。いや、基本はいい子なんだけどね。
少しでいいから、そのフェロモンを分けてほしいものだわ。
「はぁ……」
制服に着替えて教室へ戻った瞬間、美里のお説教が始まった。
「ただでさえあんな美少女顔の七緒君が相手なんだからさぁ、それを越えるくらいの魅力でアピールしなきゃっ」
「七緒を越えるぅ? ……って、無理無理!ぜーったい無理!!だってあの七緒だよ!?」
私は顔の前で拳を握り締め、ここぞとばかりに普段の不満を吐き出した。
「あいつ、男のくせにあんなにまつ毛長くてあんなに肌綺麗であんなに髪さらさらであんなに細くて……っ」
「…心都、本当に七緒君の事好きなのねぇ」
と、半ば呆れたように美里。
「へ?」
七緒の文句を言ったつもりなのに、何でですか。
でも美里の言葉はもちろん間違ってはいないわけで。
「……そりゃー……好きだけど」
「ん、素直素直」
美里の白い腕が、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
小首を少し傾けながら小悪魔的な笑顔を浮かべる美里は、女の私から見ても文句ナシで可愛い。
そんな彼女の性格は、一言で言うと「恋多き乙女」。ついこの間まで「1組の武藤君かっこいー」とか言ってたかと思うと数日後には「相田先輩ステキー」になっている。あ、そういえば昨日は「1年の藤森君サイコー」に変わってたっけ。何せこの顔だから、今までに泣かせた男の数知れず。……もしかしてこういうのを、いわゆる魔性の女っていうのかな。いや、基本はいい子なんだけどね。
少しでいいから、そのフェロモンを分けてほしいものだわ。