好きって言ったら
好き
「部室行こう!」
7時間目の講習が終わりあたしは勢いよく
教室を飛び出した。
後ろから友だちの愛が追いかける。
あたしは沢田羽花。
16才の女子高生で今でいうJK1年。
部活はギター部だけど言っちゃえば何でもあり。
あたしと愛は丁度、一週間前に入部したところ。
あたしはエレキギターをやっていて愛はベースをしている。
そんな感じで青春を謳歌しようとしている真っ最中である。
「こんにちはー!」
明るい声で部室の扉を開けると何人かが振り向く。
「よっ♪」
明るく返してくれる彼は吉川先輩。
後に愛の彼氏となる人だけどこれはまだ先の話。
「今日は1人ですかー?」
「いや、今日って活動日じゃないじゃん?」
「あ、そっかぁ!」
活動日は基本、月水木の週3日だけど一部の部員は
それ以外の日にも顔を出している。
あたしもそのうちの1人で今日も遊びに来た。
小さな部室は人が5人集まるだけで窮屈に感じてしまう。
けれど今のあたしはこの狭い空間が何よりも好きだった。
夏は暑いし冬は寒いしごみは散らかってるし
あちこちにものがおいてあるそんな空間だけれど(笑)