好きって言ったら
「tearちゃーん♪」
あたしは自分のギターに近付いて呼びかけた。
応えるはずもないのになぜか呼んでしまう。
ケースから取り出し1人練習をするあたしに
「愛さ今から数学の居残り行かなきゃだから行ってくるね!」
と、愛は行って部室から出て行った。
「早川どうしたの?」
吉川先輩が何気に聞いてくる。
「数学の居残りですって。今日の小テスト落ちちゃった
みたいでね・・・」
苦笑いを浮かべて話すと彼も微妙な笑顔を見せた。
そしてまた1人で練習していると
「よーっす」
っと言いながら3年生の先輩が入ってきた。
真面目そうな顔立ちの山崎先輩と
むっすぅとした顔立ちの及川先輩。
2人は特進クラスで賢い。
真面目だけど少し毒舌な山崎先輩はあたしと
おそろいのエレキギターを持っていて優しい。
及川先輩はやんちゃでドSな自由人。
ギターがとっても上手でとにかく何かに
つけて万能で腹立つ人(笑)
けれど、そんな彼はあたしの・・・好きな人??
まだ、あたしにはこれを「好き」とよんでも
いいのかどうかよくわからない。
ただ、及川先輩を見ていると胸が“きゅう”となる。
恋愛経験が豊富なあたしだけどこういう
のはよくわかっていない。
「好き」だと感じる前に付き合っていたりするからだ。
後はあまりにも彼が自由人すぎて精神が
ついていけてないのかもしれない(笑)