好きって言ったら
「あー暇。」
ぼやきながら及川先輩はギターを手に取る。
そして無表情のまま演奏を始める。
彼はあんまり笑わないっていうか真顔が
少しむっすぅとしてる。
だからあたしは彼を笑わすことに必死だった。
彼が笑ってくれるだけで本当に嬉しくなる。
普段からへらへら笑ってる人ならこんなに嬉しいとは思わないのかな?
それともやっぱり好きだからなのかな?
よくわからないままあたしは彼を見詰める・・・が
どうしても目がおよいでしまう。
ふいに顔をあげられ目が合うと自分から
そらしてしまう。
それもまたあからさまに!
適当に会話をしながら時間を過ごしていると
「ちゃおーーーーーっす」
と言ってテンションの高い野郎が1人入ってきた。
彼は鈴木先輩。
ドSでかなり話してていらつく人。
「あ、鼻水来てるじゃん。」
「あたしは羽花です!」
「え、そーだったっけ?」
彼は意地悪な笑みを浮かべる。
「もう、なんなんですか!」
「あ、ってかさお腹すかない?」
自分からからかっといて最終的には話を逸らす。
ちなみに言っておくが彼は部員ではない!
及川先輩の友だちであって遊びに来てるだけ。