好きって言ったら


・・・・・・・・・・・。


3人が出て行ってからわずか2分で
あたしと及川先輩の間に沈黙が流れている。


重苦しい空気に耐えられなくてあたしは
そばにあった消臭剤を思い切り振った。


「それって振るもんなの?」

「ほぇ?」

突然の質問にあたしは理解し損ねてしまった。

「いや、だから振るもん・・・?」

「ちょっと待って下さい」

冷静に消臭剤の説明書を読んでいると

「ぷ」

と彼が笑った。

「な、なんなんですか!」

彼が笑ったことは嬉しかったけど笑われたことに
ムッとして少し鋭い口調で言った。

「だって真剣に説明書見てるんだもん。
おもろすぎるだろ!」

「だ、だって及川先輩が聞くからじゃないですか~」

「わりぃわりぃ。  てかさ中学のとき部活何してた?」

「バドミントン部です」

「バドミントン?何それ?」

「何それってシャトル打つやつ・・・。」

「バトミントンだろ?」

「いいえ、バドミントンです!!」

「やっぱ、お前おもしれぇーな♪」

「なんなんですかもう...」


あたしは怒ってたけどいつの間にか2人の
間には穏やかな空気が流れていた。
及川先輩が作ってくれたんだね。


こんな小さな優しさも含めてあたしは
あなたを好きになったんだよ。


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