渇望-gentle heart-
ぎしりとベッドが軋み、薄目を開けるとそこには、珍しく帰らずにここにいてくれていた流星の姿。
窓越しに、彼は薄明かりに照らされている。
「悪ぃ、起こした?」
時計を見ると、明け方も近く、窓から見える空には、朝もやの中で小さな月が行き場をなくしてしまったように、震えていた。
「あたしの方こそ、いつの間に寝てたのかな。」
「お前、俺にしがみついたまま寝るんだもん、息苦しくて死ぬかと思ったよ。」
流星が柔らかく笑った。
喧嘩して、うやむやに仲直りのセックスをした後の彼は、いつも優しい。
だからまたこうやって、何事もなかったかのように過ごしてしまうのだけれど。
「俺さ、ずっと考えてたんだ。」
彼は言った。
「香織とこういう関係になってもう随分になるけど、いつの間にかここで過ごすのも俺の生活の一部になってたよなぁ、って。」
「…え?」
「だからぁ、俺、もしかしたら香織といることが一番落ち着くのかも、って思ってさ。」
ホストではない、その横顔。
流星はいつだってあたしの望むようにはならないけれど、でも期待してしまいそうになる。
「って、俺こんなこと言うガラじゃねぇけどさ。」
彼が笑うから、あたしも笑った。
笑ってから、そっと流星の体に腕を回し、抱き締めた。
「あたしはきっと一生、流星のことを好きでいると思うよ。」
窓越しに、彼は薄明かりに照らされている。
「悪ぃ、起こした?」
時計を見ると、明け方も近く、窓から見える空には、朝もやの中で小さな月が行き場をなくしてしまったように、震えていた。
「あたしの方こそ、いつの間に寝てたのかな。」
「お前、俺にしがみついたまま寝るんだもん、息苦しくて死ぬかと思ったよ。」
流星が柔らかく笑った。
喧嘩して、うやむやに仲直りのセックスをした後の彼は、いつも優しい。
だからまたこうやって、何事もなかったかのように過ごしてしまうのだけれど。
「俺さ、ずっと考えてたんだ。」
彼は言った。
「香織とこういう関係になってもう随分になるけど、いつの間にかここで過ごすのも俺の生活の一部になってたよなぁ、って。」
「…え?」
「だからぁ、俺、もしかしたら香織といることが一番落ち着くのかも、って思ってさ。」
ホストではない、その横顔。
流星はいつだってあたしの望むようにはならないけれど、でも期待してしまいそうになる。
「って、俺こんなこと言うガラじゃねぇけどさ。」
彼が笑うから、あたしも笑った。
笑ってから、そっと流星の体に腕を回し、抱き締めた。
「あたしはきっと一生、流星のことを好きでいると思うよ。」