天使のハンコウ
この、綺麗な田舎町に、連続殺人が起きた。

ウルカはパトカーの助手席で、身をよじった。

「ううん」


どうも、寝苦しい。


目を覚ます。

と、上司が、怖い顔で覗き込んでいた。

「何をしている?」

「ええと・・・お昼寝を」

「バカモノ!!」

ウルカは身をすくめた。

「だから嫌だったんだ。こんな小娘を連れてくるのは」

「でも、あたしがいないと、事件が解決しませんよ」

ウルカは肩すれすれの、銀髪を揺らして、顎を突き出した。

物凄い、生意気な態度だ。

上司マルグレッドは、危ういところで、怒りをかみ殺した。

「確かに、そうだ。お前は、アルフに会った、貴重な人間だ」

「そうよ」



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