出来ちゃった恋愛
泣いて、泣いて、泣いて…。



いっぱいいっぱいのあたしが勇気を出したのは、病院に行ってから1週間が経った時だった。



誰かに頼りたくて、苦しくて…。



お腹の中で育ってる赤ちゃんのことを考えると、泣き叫びそうになった。



助けて…。



助けて、サキ…。



『ユズはどうしたい?』



そんな答えは求めてなかった。



でも、『堕ろす』って答えも求めてはいなかった…。



一緒に背負ってほしかった。



あたしの辛さとか、苦しさを…。



助けてほしかっただけ…。



サキから走って逃げた日、夜にメールを入れた。



サキなんかに頼ろうとしたあたしがバカだったと。



堕ろすなら、あたしが勝手にするから。



産むのは…。



きっと…ない…と、思う…。



だってひとりじゃ育てられないし…。



働いたこともないし、子育てなんか…。



それにあたしはまだ高校3年生になったばっかり…。



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