出来ちゃった恋愛
ふたりで食べた鍋は今までで食べた料理の中でいちばん味がしなかった。



サキのことで頭がいっぱいで味なんかわからない。



好きって言いたくて、でも言葉にするタイミングとかがわかんなくて。



元から素直ではないから…。



「今日俺が片付けてやるから風呂入れよ」

「いいの!?」

「たまにはな?」



サキの優しさも大好きで…。



どうしようもなく胸が苦しい…。



お風呂に入って少し出たお腹に手をやる。



ママ、チビ太のパパと結婚できてよかったって初めて思ってるかも。



チビ太が引き合わせてくれなきゃ、今の幸せなんかないんだよね?



もっと早く、サキの魅力とかに気づけてたらよかった…。



学校行ってる時に好きになってたら、あたしの人生もまた少しは違ったかな?



でもママは今すご~く幸せだよ。



返事をするかのように動いたチビ太に笑顔が零れた。



まだまだ好きになっちゃう気がする。



今までよりもっと…。



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