出来ちゃった恋愛
悩んでも答えが見つからないまま、おかんが帰ってきた。



「なんでいんの?」

「俺が間違ってたした…」

「それで、ユズちゃんとは話し合ったの?」

「同意書渡されて…でも…堕ろせって言えなかった」

「それはどうして?」

「罪の重さに気づいた…から…。それに…アイツが泣いてても、俺はなにもしてやれない…」



無表情のままリビングに行ったおかんを追い掛けた。



離婚したおかんは俺を身篭った時、どんな気持ちだったんだろう…。



「決めるのはあなた達よ。お金なら貸す。どうするか、よく考えなさい」

「おかん…」

「ご飯…作ろうか」



俺の空っぽな頭の中はいつもと違ってモヤッモヤ…。



どうしたらいいのか、本当にわからない。



「おかんは…俺なんか生まなきゃよかったって思ったことある?」

「ある。こんなバカ息子、ドブに捨ててやるって」

「ドブかよ…」

「でもね、咲都がいない人生なんて、考えられないのよ」

「えっ?」

「あのバカ旦那にバカ息子。どっちもあたしが選んだ人生だから。後悔はしてないつもり」



おかん、スゲー…。



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