出来ちゃった恋愛
ゆっくり起き上がったユズは近くにあったタオルを顔に当てた。



「マジでなにしに来たの…」

「わかんねぇ…」

「ちょっと…帰ってほしいんだけど…」

「心配して来たのになんだよ、その態度…」

「トイレ行く」



なんなんだよ…。



無性に腹立つ。



だけど部屋のドアも開けっ放しでトイレに行ったユズが気になった。



トイレはたしか…こっちか?



広い家でユズの部屋からいちばん近いトイレ。



「ユズ!?」

「なんなの!!トイレまでっ!!うっ…」

「お前なんも食ってねぇんだろ!?吐くものねぇじゃん!!」

「それでも気持ち悪い!!もうヤダっ!!」



落ち着くまで背中を摩った。



だけどユズの胃からはなにも出て来なくて…。



苦しいだけ…。



「寝てろよ…」

「そうする…」

「おっつ…」

「あ゙ぁ~…貧血…」



ダメだ。



病院に連れていこう。



「着替えろ。病院に行く」

「なにしに?」

「とにかく行く!!」



渋々着替えさせた。



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