出来ちゃった恋愛
『親呼んで無期停だな』



そう言った担任に対してユズは顔色ひとつ変えなかった。



緩い先生だったため、見逃しになったけど。



あの時のユズの顔は忘れらんない。



『あっそう』



みたいな。



翔哉先輩にフラれた時もそうだった。



かなり追い掛けてたくせに。



『妹って言われた。もうめんどくさいからやめる』



顔には全く出さず、隣で浴びるように酒を飲んでた。



それだけクールだったユズが今はこんなに泣いて苦しんでる…。



チビ太が出来てから…。



ユズは人間なんだって知った気もする…。



そういやチビ太が出来たって言われた時もクールにサラッと言ってたっけ…。



「なんか…不思議だな…」

「なにが…?」

「ユズなのにユズじゃないみたいだ」

「は?」

「昔のユズは無表情だったな~とか思ってさ」

「意味わかんねぇから。死ね…」



ひとりで過去振り返ってすみませんでした。



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