出来ちゃった恋愛
サキを好きだなんて気持ちは全くないのに…。



あたしのバカ…。



「今の…」

「付き合ってりゃ、多分結婚したよな」

「えっ?」

「いや、ユズがいやだって言っても、俺は産んでくれって言うと思う」

「ちょっとサキ!!やめてよ…」

「あっ、わりぃ…」



サキを好きになってたら…ひとりでも頑張ったのかな…。



産んであげられたのかもしれない…。



ヤバッ…また泣きそう…。



情緒不安定だなぁ~…。



「チョコ…もっとっ…」

「ん…」



ありったけのチョコをサキから奪い取り、家に帰った。



やっぱり食欲なんかわかなくて、ひとりの家で眠った…。



チョコのおかげか、点滴のおかげか、少し気分はいい。



「ユズ~、ケーキいただいたから食べましょ」

「ダイエット中…」

「そんなに痩せててなに言ってるの」

「とにかく今日は疲れたから寝る」

「具合でも悪いの?」

「大丈夫だから…」



あなたの娘は死にかけてますよ…。



< 32 / 440 >

この作品をシェア

pagetop