出来ちゃった恋愛
バカとか思ったのに…。



「俺の子供を産んでくれ」



そう言われた瞬間、目からは大量の水分が流れた。



それは海と同じ塩味で…。



「俺がユズと、腹ん中にいるチビを守って行くから」

「サキって…バカなんじゃないの!?」

「バカだよ、俺。まともに稼げるかもわかんねぇし、ぶっちゃけこれからどうするかなんて考えてねぇし」

「開き直りっ!?」

「でも、俺が今まで生きてきた中でいちばん重要な選択だと思ってる」



金に近い茶髪で、ピアスの穴とか開いてて。



舌にまで穴開けてるし、腰にはタトゥー入ってる。



取りえなんか顔だけで、平気で女取っ替え引っ替えだし。



頭悪くて毎回補習受けてるようなバカ。



悪いことも散々やって、やっとまともな女捕まえたと思ったのに。



「あたしに引っ掛かるなんて、最低のバカだね」

「悪くねぇよ?お前、よく見ると美人だしな」

「本気…なの?」

「本気だ」



そう言って、ポケットから封筒をふたつ取り出した。



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