出来ちゃった恋愛
片方は見事に破られた同意書の残骸。



もう片方は…サキの名前が書かれた婚姻届だった…。



「信じらんないっ…」

「お前のいいとこ探すから。順番とかヤバイくらいぐっちゃぐちゃだけど、好きになる気がすんだ」

「なにを根拠に…」

「ユズは?そんな気しねぇ?」



その時のサキの顔は、今まで見てきたものとは全然違ってた。



初めてサキをカッコイイと思った自分にゾクッと鳥肌…。



「学校やめて働く。それでちゃんと生活できるように頑張る」

「待って!!結婚すんのヤダって言ったら?」

「言わねぇよ。ユズだってもうわかってる。本当は産みたいって思ってるってこと」



ありえないくらい涙が溢れた。



あたし…産みたい…。



支えがなくて怖かっただけ…。



ひとりで決断する勇気がなかっただけ…。



でもサキが支えになってくれるなら…。



「あたしっ…この子産みたいっ…」

「ほら、な」

「産んでいいの…?」



笑顔で頷いたサキの目からも涙が零れた。



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