出来ちゃった恋愛
リビングにいるおかんに話さなきゃいけないことがある。



「おかん、ちょっといい?」

「なに?」

「ユズとのことなんだけど…結婚したいと思ってる」

「…………そう。相手のご両親は?」

「まだ。おかんは反対?」



俺が決めたことを今まで反対したことがないおかん。



きっと今回も前に言った通り、見守ってくれるだろう。



「好きでもない相手と結婚するって意味はわかってるの?」

「ユズとならやってけると思う」

「ユズちゃんと生まれてくる子どもの一生を背負うってこと、忘れないでね」

「ありがと…。そのうち連れて来るから」



それから食わないと言ったはずのヤキソバが目の前に出された。



おかんには本当に悪いことをしたと思う。



勉強できなくて公立には行けず、ギリギリ入った私立高校を2年も通った末にやめるんだ…。



「お金のことなら謝ったりしないで。親としてしてあげたかっただけだから」

「ホント、バカ息子でごめんな…」



『知ってます』



そう言ったおかんはわずかに笑った…。



< 45 / 440 >

この作品をシェア

pagetop