出来ちゃった恋愛
ユズが家に荷物を取りに行くのに付き合った。



誰もいないから難無く持ち出しには成功したけど…。



胸が痛いのはユズに家出をさせてることだ…。



「明日ってどんな格好で面接行くの?」

「センスとか見たいから私服で来いって言われた」

「よかったじゃん」

「まぁな。決まるといいけど…」



ユズの荷物を持ちまた家に帰った。



今日は気分よくなさそうだな…。



「つわり?」

「大丈夫だから」

「夜メシは食えよ?チョコ食うか?」

「あんまりいらないかな…」



前よりはかなりマシになったつわりもないわけじゃない。



ユズが吐いてる姿を見ると代わってやりたくなる…。



でも当たり前のように代われないわけで。



苦しんでる姿を見る度に、不思議な罪悪感が沸くんだ…。



ユズにばっかり辛い思いさせてる気がして…。



最近変だよな、俺。



ユズのことで頭がいっぱいになる。



これは…なんでだ?



「サキ、やっぱチョコ食べる…」

「ポケットの中に…溶けてるけど…いる?」

「バカ…」



ユズのために、頑張る。



< 70 / 440 >

この作品をシェア

pagetop