出来ちゃった恋愛
朝のサキは基本食べない。



でも今日から働くんだから朝も食べてもらわなきゃ。



トーストにチョコクリームを塗ってコーヒーと一緒に出したら無言で食べ始めた。



「食べられるんじゃん…」

「うまい。もう1枚焼いて?着替えてくる」



なんだかものすごく嬉しくなった。



サキがあたしのご飯を食べた…。



うまいって言ったよ。



着替えて来たサキはもう1枚、パンを食べた。



コーヒーを飲み干し、バスルームで洗面台を占拠。



気になって覗いてるあたしには気づかず、ワックスを手に取った。



そうやってセットしてるのか…。



基本ストレートのあたしはワックスに無縁。



「うぉっ!!なにしてんだよ!!超ビビった…」



気づかれたから退散しよう。



だけど知らなかったサキの一面を見れた気分だよ。



「コラ、ユズ」

「んなぁ!?」

「言いたいことあんなら言えよ」

「ないよ。ただ見てみたかっただけ」

「そうスか」



後ろからガシッと抱きしめられたよ…。



心臓がバクバクしてる…。



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