透明な世界


「俺、特等席で見とくわ!」


そう言って自分の写真の前に座った。


私が驚いた顔をしてると


「あいつ昔からあんなだったなぁ好奇心旺盛で・・・」


金森君がぼそっとそう呟いた。


椎名君のお父さんとお母さんが御焼香にたったとき


「ありがとう・・・ごめんね・・・」


と椎名君が呟いていた。


ここに来て本当に椎名君は死んでしまったんだと思った。


そして一度も触れることなく彼は空に溶けていきました。





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