透明な世界
すごく嬉しそうに「ありがとう」と言う美波を見てさらに嬉しくなった。
「今カメラ持ってきたらよかったって思ったでしょ?」
俺がそう聞いたら「うん!なんでわかったの!?」と聞いてきた美波。
美波の考えてることはすべてお見通しだって言いたかった。
けど、「だってこの景色だから・・・俺もカメラで撮りたいと思うし!」と言った。
「今度また連れてきてやるよ!その時までのお楽しみだな!」って言うと「そうだね!また絶対連れてきてね?」っと言った美波。
また2人でここに来れることに俺はすごく嬉しかった。
誠が帰ってくる前に砂浜に戻ることにした。
美波の影が伸びている。
その横には俺の影はない。
今俺ができることは美波の影と手を繋ぐぐらいだった。