青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
「言ったな。舎兄弟であろうがなかろうが俺たちゃ別に何も変わらねぇって。俺もそれには同感。けどな、このまま何もしねぇで終わるのは癪だ。そうだろ?」
響子さんの言葉が蘇る。
今以上に行動を起こしてみろよ。何もしねぇでウッジウジするな。という手厳しい言葉が。
「俺はダッセェまま終わりたくねぇ。ケイ、俺とイケるとこまでイッてみようぜ」
真っ向から夕の陽を浴びるヨウの顔は笑っていた。
俺は夕の陽の光に眩しさを覚え、目を細めながらも、ヨウの視線を受け止めて微苦笑を零す。
遠回しな言い草だけど、改めてヨウに舎弟になれって誘われている。
成り行きで舎弟にされたあの日と比べたらスッゲェ違いだよな。
勿論、断る事だってできる。
「俺じゃ不釣合いだから」と断れる事もできる。
だけどさ、いっつも俺には拒否権がないんだよな。
どうせ断る勇気なんてないよ。不良恐いし。俺に拒否権なんてない。あの日も、今も、さ。
返答を待っているヨウに肩を竦めて、俺も笑ってみせた。
「足、くらいにしかなれねぇからな」
ヨウは最高の笑顔を見せた。
「上等だ」