青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
軽く笑声を漏らす利二に、なんか悔しかったり照れたり嬉しかったり。
やっぱお前、俺と気の合う地味友だよ。
どんなことがあってもお前となら友達でいられるような気がする。
なーんか照れくさいし、妙に悔しいから、絶対口に出して言ってやらないけど、俺、感謝しているんだ。全力で止めてくれたお前にスッゲェ感謝している。
俺は利二の顔を盗み見る。
利二の右頬には絆創膏が貼ってある。
傷に罪悪感を抱かないわけじゃないけど、それ以上に俺は利二に感謝したくなった。
だってその傷は、俺を止めてくれた時に作ったものだから。
ごめんとか申し訳ないって思っても、利二はそんな俺の気持ち望んでないだろうしさ。
利二。
もしもまた迷って馬鹿なことしようとしたら、止めてくれな。俺も同じように止めてやるから。
「田山、今週の土曜日。予定入っているか?」
「ンー? なんもねぇよ。泊まりに来るか? ウチに」
「そのつもりで聞いたんだが」
「じゃー、もうひとつ。三時間目の体育はサボるだろ。四時間目の英語はどうする? 俺、予習も宿題してきてねぇんだ。お前は」
「してきている筈ないだろ。帰って直ぐ寝たんだからな。田山はどうするんだ」
「ダルいしな。利二は?」
「そうだな、ダルいからな」
その時間、俺達は初めて自分からサボった。
これからの時間もサボる予定。理由はダルいってだけ。
ただそんだけの大したこともない理由。
終わりのチャイムが聞こえてきた。
後数分も経たないうちにきっと、ヨウが来るんだろうな。
⇒№02