青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
だけど俺は先輩に腕を掴まれてしまう。
「あの、何ですか」
「ちょっと話があるんだ。一緒に来てもらうよ。そっちの落ちこぼれ不良くんも、来てくれたら有り難いんだけどね」
先輩の呼び掛けにヨウが「あ゛?」声を上げて足を止めた。
ヨウ、ツッコむところじゃないかもしれないけど、母音に濁点は不必要だぜ!
「一緒に来てくれるかい? 生徒会室に」
「フザけるな。ンなとこ行くわけねぇだろうが。行くぞ、ケイ」
「行くぞ……ッ、ちょ、待てって! あの、先輩。手を放して下さいッ、ヨーウ! 待てって!」
「貫名。土倉。苑田。谷沢も生徒会室にいる。君の知り合いだろ? 違うかい?」
俺は勿論、ヨウも驚いたみたいで弾かれたように振り向き先輩を凝視。
「一緒に来てくれるだろ?」
爽やかな笑顔を見せる先輩に地味の勘がまた疼いた。
俺の気のせい、だとイイケド……嫌な、なーんか嫌な予感がする。