青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―



「んじゃ、俺等も行くか。ケイ。たっぷり話、聞かせてもらうぞ」


そうでした。

俺も、追い詰められている立場でした。



「ごめん!」



俺はヨウに向かって謝った。

これは勝手な行動をした詫びじゃなくて、これからすることに対しての詫び。



「あのさ、ちょっと寄って行きたいところがあるんだ。先に行っててもらえないか?」

「先に、だと?」


関節を鳴らして拳を作るヨウ。

殺気を感じるのは俺の気のせいじゃない!



「……に、に、逃げない逃げない逃げねぇーから! ほんとほんとほんとに! あああっ、んじゃあついて来て下さい! 寄るところがあるんです! お願いします! お願い致します! ついて来て下さい!」



俺の情けない声が廊下中に響き渡った。

カッコ悪い……そう思っても舎兄の怒りを買うよりかはマシだ!



俺は全身全霊を尽くして舎兄にお願いし倒した。




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