青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
カウンターの奥の部屋からヤマトが出てきた。
「さっき全員にメールした」
含みのある笑みを浮かべ、ヤマトはドア枠に寄り掛かる。
「全員を呼び出したの?」
ホシの問い掛けにヤマトは肯定の返事をする。
「これまでのゲームは余興にすぎねぇ。お楽しみはこっからだ。ゲームは何事も楽しくなくっちゃなぁ」
腕を組むヤマトは細く笑った。
ホシは相変わらず爪を眺めていた。
肩を竦め、気だるそうに口を開く。
「グループが分裂したあの日から随分経ったけどさ。結局僕等の目的って一つだよねぇ。気に食わない奴等を潰す」
「そりゃそうじゃろ。分裂したあの日から、んにゃその前から気に食わない思った奴等じゃ。向こうもそう思ってる筈じゃ。“潰す”ってのう。
ただ向こうの場合、今まで、それを抑え込んでたようじゃけど。まあ一部、曝け出してる輩もいたけんどなぁ」
ニタァと笑い、アキラはチュッパをガリガリと口腔で噛み砕いた。
「ヤマト、改めて聞きたいんじゃが。これからの目的はなんじゃい?」
「今更なことを聞くんだな」
ヤマトは肩を竦めた。
「決まっているだろうが。俺達の目的はひとつ、荒川達を潰す――」
⇒#08