青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―




「ススムさん、今、協定を結んでいるチーム、どれくらいやられているんですか?」



不意に飛んでくる質問。


「半分くらい潰されている」


率直に伝えると項垂れていたケンがスンと鼻を鳴らす。

潤んだ目を見られぬよう、かぶりを振ってゆっくりと口を開いた。



「もう……衝突も目の前ですね。だったらおれは、奴等を、あいつを潰す。それがせめてものケジメですから。チームに迷惑は掛けられない」



おれは田山圭太を、いや、ケイを全力で潰しに掛かる。


唸るような声で決意を露にするケンにススムは何も言えなかった。


そしてケンもまた、決意表明を止めることができない。


過去の自分を断ち切るためにも、今の居場所を選んだ自分自身のためにも、何よりケイのためにも、自分は相手のチームと友だったケイを全力で潰しに掛かる。



向こうの頭の舎弟を担っている中学時代の友を……自分の手で。


未練がましい自分と、中学時代の古い自分に、もう用はないのだから。



(けど)



そうは思っても、やっぱりどこかで胸が痛む。



この胸を掻き毟りたくなるような痛みは何処にぶつければいいのだろう――?


ケンは思う。



自分達はどうして友達になってしまったのだろう。



馬鹿みたいに何度も自問自答してみるが、答えは何一つ出てこなかった。


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